放射線科は、放射線診断科と放射線治療科の2部門にて質の高い医療の提供を致します。主な医療機器は、一般撮影装置2式、乳房撮影装置、X線骨密度測定装置1式、CT装置2式、X線TV装置2式、血管撮影装置、MRI装置2式、核医学検査装置、その他移動型X線装置5式、外科用イメージ1式と高精度な装置が設置されています。特に、MRI装置は、北毛地域に唯一の3テスラとなる装置が設置されています。現代の医療現場では、CT・MRIをはじめとする画像診断は情報量が多く必要不可欠と言っても過言ではありません。放射線診断科では、臨床上最も重要な画像情報を提供する部門となるため画像診断を専門とする医師が画像情報の提供に努めて参ります。また、放射線治療科は、最先端の高精度放射線治療装置が設置され、治療を専門とする医師ならびに、専門資格を有する技師が精度の高い放射線治療を提供できるように努めて参ります。医療の進歩により放射線管理・精度管理・医療被ばく低減など益々専門的な知識が求められるため我々診療放射線技師は、高度医療従事者としての役割を担い資格・認定を取得し技術と専門性を活かした画像情報の提供を心がけ安心・安全な医療に努めて参りますのでよろしくお願い致します。
「安心できる放射線診療」を国民のみなさまへ提供するため、医療被ばく低減施設の認定を取得いたしました。放射線の分野において不安などがありましたら、診療放射線技師へお尋ねください。
乳がん罹患数は年々増加傾向にあり、いまや16人に1人が乳がんに罹るといわれています。マンモグラフィが効果を発揮するためには、高い撮影技術と高度な読影力が不可欠であり良い検診を受けるには、専門的な認定を取得した診療放射線技師・読影医師の教育・研修と使用する装置の精度管理が適切に行われていることが重要です。質の高い医療を提供するため判断材料のひとつとして、厚生労働省に認められた『マンモグラフィ検診精度管理中央委員会』認定制度により乳がん検診の精度維持・向上のための「マンモグラフィ検診施設画像認定」を取得致しました。
放射線治療における品質を担保する為、第三者機関による評価として渋川医療センターの放射線治療科では公益財団法人 医用原子力技術振興財団により「治療用照射装置(X線)の出力線量測定」の評価を受けました。
治療用照射装置(X線)の出力線量実施施設(群馬県 9施設)
2017~2019年度実施から3年間有効
胸部や腹部・骨などのエックス線撮影を行います。
診療放射線技師は、患者さんに無理のない様に心がけておりまが、撮影において痛いところ、無理な体勢などがありましたらご遠慮なくお声をかけて下さい。
診断用X線装置(島津製作所)
RADspeed Pro 高機能タイプ
*APRに連動して、ワンタッチ操作で天井走行式X線管懸垂器が自在に移動、 ポジショニング位置に自動設定。また、操作室のコンソールからだけでなく、 X線管装置側でも撮影条件や術式の変更が可能。
FUJIFILM DR CALNEO Smart モバイルシステム
一般X線撮影 間接変換FPD装置(CALNEO Smart)
回診用X線発生装置 | 日立 シリウス130HP(2台) 島津 MobileArt evolution (2台) 島津 MobileDaRt Evolution (1台) |
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外科用イメージ | 島津 OPESCOPE ACTIVO WHA-200 (1台) |
乳房内の非常に細かい石灰化や腫瘤などがわかる乳房のX線撮影です。乳腺をはっきり写すために乳房を圧迫して広げて撮影を行います。
マンモグラフィ装置 Selenia Dimensions (日立ヘルスケア) | 当院ではトモシンセンス(3D)と通常撮影(2D)を一度に行うことができます。トモシンセンス(3D)は多方向からの投影画像をもとに立体画像の視点を変えることが可能で、重なりの多い部分でも見えやすくなります。 |
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デジタルマンモグラフィ コンピュータ検出支援装置 Cenova(日立ヘルスケア) | 撮影したマンモグラフィ画像上の微小石灰化と腫瘤の特徴をもつ部位を検出し、画像ビューアなどに転送します。医師の注意を喚起し、読影の支援を行う目的に使用されます。 |
マンモトーム Mammotome revolve (デビコア メディカル ジャパン) | 乳房に非触知病変や石灰化病変などが認められた場合に、それが乳がんかどうかの確定診断や手術適応を決定するために、マンモグラフィで確認しながら乳房組織を採取します。 1回の穿刺で複数本の検体を採取でき、切開創が小さく、縫合が不要なため過度な負担を与えずに生検を行うことができます。 |
骨密度検査は骨を構成しているカルシウムなどのミネラル類の量を測定する検査で、このミネラル成分が不足していると骨がもろくなります。この検査により骨密度を数値化することで骨量の減少を早期に発見し、骨粗しょう症の適切な予防や治療を行うことができます。また骨密度の値は年々変化していくものなので、経時的な変化をみるためにも定期的な検査をおすすめします。
当院では微量なX線を用いたDXA法(デキサ法)にて骨密度検査をおこないます。DXA法は他の方法と比べ非常に測定精度が高いのが特徴です。測定に用いるX線はきわめて少ない量ですので、安心して検査を受けていただくことが可能です。 また、予防医療が推進される中、検査に使用する医療機器は性能向上だけでなく、患者様に心理的不安を与えないデザインも求められています。当院では被検者に優しい検査環境を提供します。
エックス線とテレビを組み合わせた装置です。エックス線を使用し透視画像を見ながら体内を透視し、その様子をTVモニタで観察しながら撮影する検査です。リアルタイムで体内の画像を観察できます。当院では、内視鏡専用機器としてCUREVISTA(日立ヘルスケア)と ZEXIRA FPD1717(東芝メディカル)の2台が設置されています。最新のFPD(フラットパネルディテクター)を使用したデジタルのエックス線画像装置のため、今までの装置以上にエックス線の量を減らすことができ、また、広い範囲や拡大した画像でも歪みなくシャープな画像として観察することができます。
(用途)気管支鏡、消化管、神経根ブロック、泌尿器系など
肝動脈化学塞栓術(TACE) 血流豊富な臓器疾患に対して行う治療法です。肝臓内の疾患部位までカテーテルを進め、抗がん剤を注入します。その後、塞栓物質を注入し、血流を遮断します。
フィリップスエレクトロニクジャパン:Allura Clarity FD20 画質の向上と被ばくの低減の両立を実現し、例えば従来品と比較した場合、ほぼ同じ画質を維持して被ばく量を73%低減することできる。
X線を利用して体の輪切りの画像を得る検査です。この輪切りの画像をコンピューターで処理することにより、様々な方向からの 断面像や3次元画像を得ることができます。当院放射線診断科では、80列(0.5mm×80列検出器)と80列(0.5mmx80列検出器)の2台のマルチスライスCTが稼働しており、頭頚部、胸腹部、四肢など全身の検査に対応しています。
検出器多列化により、短い撮影時間で高精細撮影が可能となっています。 息止めの時間が短くなりました。
単純CT検査 | 造影剤という薬剤を使用しない検査です。 |
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造影CT検査 | 造影剤という薬剤を静脈注射して撮影する検査です。造影剤とはヨードを含んだ薬剤で、使用することにより、病変の存在、形態や性状などがより詳しく観察できたり、血管の状態を評価するのに役立ちます。 |
CTガイド下生検 | 生検の安全性と確実性を高めるためにCT画像を確認しながら病変部に針を刺して組織を採取する検査です。 |
その他のCT検査 | 内視鏡での気管支検査や大腸検査を模したバーチャル内視鏡CT検査、医師が付き添いながら検査とともに処置を行うCTなどがあります。 *これらの検査では造影剤を用いることもあります。 |
MRI検査は、非常に強力な磁石を利用し、体内の水と脂肪の分布を画像化する検査です。 撮影の際には非常に大きな騒音がしますが、MRI装置の故障ではありません。ヘッドホン等を利用し騒音の低減を行いますのでご安心ください。当院は3テスラの装置を2台稼働しております。どちらの装置も患者さまの閉塞感、窮屈な体位を和らげる目的で開口部が広いモデルとなります。
また頭頸部、胸部・腹部、乳房、手関節、肘・肩、膝、足部そして全脊柱・全身に対応できる様に各検査部位において高感度、高画質を提供する専用デジタルコイルがあります。常に、3T MRIは複数の独立したRF送信源から平行して送信したPFパルスを患者さま毎に細かく調整することで高画質が得ることができます。その他、心臓MRI、超急性期脳梗塞MRI検査、前立腺MRI検査にMRS:MRスペクトロスコピー検査、T2MAP等を検査可能な機能を搭載し、多くの診療科に対応可能となっています。
核医学検査(RI検査)は放射性医薬品という放射線を出すお薬を体内に投与して検査を行います。放射性医薬品は目的部位に特異的に集まり、副作用が少なく、短期間で体外へ排泄される非常に安全なお薬です。当院は必要最低限の被ばく線量で検査を行うために、放射性医薬品の投与量を最適化しております。この検査は患者さんの体内から放出された放射線を体外のSPECT装置で検出し画像を作成します。目的臓器や病変の形態情報だけではなく、血流や代謝、臓器の働きなどといった機能的な情報を得ることができるのもこの検査の特長です。当院はGE社製NM830ESを保有しており、主に骨シンチ検査、脳血流シンチ検査などが行われています。
リニアック「Versa HD」は、エレクタ社の機種であり、高い安全性のもと、1台で全身の様々な治療ができるように設計された高精度放射線治療システムです。従来通りの各種放射線治療はもちろん、非常に正確な放射線照射が求められる高精度放射線治療にも対応可能です。
治療ビームと垂直方向にkV電圧のX線管球とフラットパネル検出器を装備しており,単発撮影や連続(透視)撮影だけでなく,三次元のCT画像を撮影することができます。実際の治療位置でCT画像を撮影し、専用のワークステーション上で,治療計画に使用した基準となるCT画像と重ね合わせ表示し,誤差を求め、得られた値を用いて寝台を6軸で補正することにより,治療計画上の正確な位置での照射を行うことができます。また、三次元のCT画像を利用することにより,従来のリニアックグラフィやポータルイメージング画像では確認することが困難であった軟部組織まで判別できるので,より正確な位置決めが可能になり、高精度な照射を,より高い精度で実現できます。 当院では、最先端の放射線治療法であるIMRT(強度変調放射線治療:腫瘍の形に合わせて放射線を集中する治療法)、VMAT(強度変調回転照射:IMRTを回転しながら素早く行う治療法)、SBRT(体幹部定位放射線治療:正常組織を傷めないように細い放射線を多方向から病巣に集中するため、1回に大量の放射線をかけることができる治療法)などの高精度放射線治療を行える施設です。
放射線治療の所要時間は1回あたり約15分間、平坦な治療寝台に仰向けになって行います。高精度な治療を行うためには、この15分間に体を動かさないよう、ご協力いただくことも重要となります。仰向け時に痛みがある場合や姿勢保持が必要な場合は、専用の固定具等を作成し、疼痛の緩和及び姿勢保持に努めて参ります。