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放射線診断科


現代医療では、CT、MRIをはじめとする高度な画像診断の重要性が増しています。20年以上前には腹部のCTを撮影すると造影剤の注射の前後で合計40コマ程度の画像を撮影するのみでした。しかし、現在は機器の進歩によって1回の撮影で数百コマに及ぶ画像が作成されることも珍しくなくなりました。  我々の任務は、これら多量の画像を読影しその解釈をA4版1枚の「画像診断報告書」に要約して多忙な主治医の先生に正確かつ迅速に報告することです。たくさんの患者さんを診察している主治医を文字通り「カゲ」から支え安全・安心の医療提供のお手伝いをして参ります。

設備・運用について

CTは旧東芝メディカル社製80列マルチスライスCT(図1)を保有しており高速にそして広範囲を短時間で鮮明に撮影することが可能です。消化器外科、呼吸器外科などの術前に腫瘍・血管の3次元再構成画像を作成し提供しています。通常の撮影でも単純、造影だけでなく多時相のダイナミック撮影を被曝低減に配慮しつつ施行できる環境です。2020年度には従来所有していた16列CTに代えてキャノンメディカル社製80列マルチスライスCTを導入しました。80列CT2台になることで今まで以上に精度の高い画像診断が迅速に施行できる体制になりました。近年は生検、ドレナージなどCTガイド下での侵襲的手技(IVR:interventional radiology)の要望も増えています。1台で通常の撮影を継続しながら、もう1台でCTガイド下IVRの対応をすることが可能です。MRIはフィリップス社製3.0T高磁場強度のMRI(図2)を北毛地域では初めて導入しています。従来の1.5TのMRIに比して、高い空間・時間分解能が得られるために、脳、血管、骨、関節、乳腺を中心に鮮明な画像が撮像可能になりました。拡散強調画像、非造影潅流画像、MR spectroscopyなども有用性が期待されます。一方で、体幹部など撮影領域によっては起きうる画質低下、SAR(specific absorption rate:電磁波の照射による組織の熱エネルギー吸収率)が1.5Tの4倍になるため注意すべき体温上昇・火傷に十分配慮して運用しています。地域の先生からもMRIの要望は非常に強く待ち時間が長くなりがちです。早期にもう1台の増設を目指していきます。


血管撮影装置はコーンビームCTといわれる3次元画像・横断像の撮影可能な機種(図3)を導入しています。肝細胞癌に対する動脈塞栓術をはじめとする画像ガイド下でのIVRを強力に支援する環境です。なお、経カテーテル的な緊急止血術・塞栓術は、制御不良な喀血、外傷性内臓出血、術後出血などに対して極めて有効な手段であり臨床各科と連携して施行しております。核医学装置は2020年度に新規機種を導入いたしました。従来は、骨シンチグラフィ主体の運用でしたが、脳血流シンチ、ドパミントランスポーターシンチなど他の核種にも検査の幅を広げております。今後はがん診療連携拠点病院として、PETCTの早期導入を目指しております。我々放射線診断科は、CT、MRI、核医学検査を臨床各科からの依頼・紹介内容に応じて、診療放射線技師と相談し適切な撮像プロトコールを組み立てています。また、放射線診断科担当の看護師とともに造影剤の安全な投与に最大限配慮(同意取得の確認、腎機能の確認、アレルギー歴の確認、必要時は前処置の確認)を致します。撮影終了後は迅速に画像診断報告書を作成し多忙な臨床各科の医師を専門領域外も含めて後方より支援し医療安全の推進に努めております。キャンサーボード・各科横断的なカンファレンスにも積極的に関与しております。

画像診断のみでの当院ご紹介(共同利用)について

画像診断をご依頼頂く場合には、まず地域連携室にご連絡下さい。先生方、患者さんのご都合に応じて日程調整をさせていただきます。受診前には予め紹介状をFAXで頂戴しますが、その際には適切な撮像プロトコール決定のために臨床情報のご提供をお願い致します。造影剤使用時には、「アレルギー歴」、「血清クレアチニン値」(CTでは造影剤腎症、MRIではNSF:腎性全身性線維症防止のためです)、MRIでは「金属インプラントの有無」など安全に関わる情報をお知らせ下さい。患者さん受診時には、我々放射線診断科医師が直接ご説明し患者さんの同意を得た上で撮影を施行します。待ち時間短縮のために、撮影当日は画像データのみCDで患者さんにお渡ししお帰りいただいています。画像診断報告書は、作成後まず先生方のクリニックへFAXし、原本は当日夕方に郵送手続きをいたします。画像診断報告書の内容や適切な画像診断方法の選択など画像診断についてのご相談事項がございましたらいつでも我々にご連絡をいただければと思います。なお、旧西群馬病院、旧渋川総合病院で今まで撮影された画像と画像診断報告書はともに当院のPACSシステムの中に蓄積されています。過去画像を適切に参照し読影をいたしますのでご安心いただければと思います。 また、常勤医師では対応が困難な稀少な症例では、我々の出身医会である群馬大学医学部附属病院画像診療部・核医学科、群馬大学大学院放射線診断核医学およびその連携施設の専門医と相談をして対処して参ります。

地域医療連携室

画像診断共同利用について

医師紹介


役職 放射線診断部長
名前 小山 佳成 (こやま よしのり)
卒年 群馬大学 平成6年卒
専門分野 画像診断 インターベンショナルラジオロジー
資格 日本専門医機構 放射線科専門医
日本医学放射線学会 研修指導者・放射線診断専門医
日本インターベンショナルラジオロジー学会 IVR専門医
日本核医学会 PET核医学認定医
日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィ読影認定医師
臨床研修協議会 プログラム責任者養成講習会修了
臨床研修指導医
難病指定医
医学博士
イットリウム-90標識抗CD20抗体を用いた放射線免疫療法講習会修了
塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いたRI内用療法講習会修了
I-131(1,110MBq)による残存甲状腺破壊の外来治療講習会修了
緩和ケア研修会修了
群馬大学医学部医学科 非常勤講師
群馬パース大学保健科学部放射線学科 非常勤講師
役職 放射線診断科医長
名前 島田 健裕 (しまだ たけひろ)
卒年 群馬大学 平成16年卒
専門分野 放射線診断科
資格 日本専門医機構 放射線科専門医
日本医学放射線学会 研修指導者・放射線診断専門医
日本核医学会 核医学専門医
PET核医学認定医
群馬県臨床研修指導医養成講習会修了
医学博士
役職 放射線診断科医長
名前 德永 真理 (とくなが まり)
卒年 群馬大学 平成3年卒
専門分野 画像診断全般、中央放射線部門管理、放射線医療安全管理・防護
資格 日本専門医機構 放射線科専門医
日本医学放射線学会 研修指導者・放射線診断専門医
臨床研修指導医
医学博士