泌尿器科は腎臓・膀胱・前立腺・尿道といった尿の通り道に発生する疾患を診断・治療する科です。高齢化社会に突入した昨今、泌尿器科疾患罹患率は上昇しています。特に、前立腺肥大症やがんをはじめとした排尿障害・突然の痛み発作で七転八倒する尿路結石症などでお悩みの方は少なくないと思います。当センターであらゆる泌尿科疾患に対応できるよう日常診療に当たっています。
PSA測定による前立腺がん検診を積極的に推進しています。PSA値により二次検診受診者を判別しますがその基準値は、全年齢で4.0ng/ml、あるいは年齢階層別基準値(50~64歳:3.0ng/ml以下、65~69歳:3.5以下、70歳以上:4.0ng/ml以下)が推奨されています。皆様がPSAを測定された際、どちらの基準値であれ、異常ならば当センターにいらして下さい。受診後、前立腺触診、超音波検査などを施行の後、総合的に前立腺生検が必要な方を選択します。前立腺生検については当センターでは腰椎麻酔下に1泊2日の入院で施行しています。前立腺生検と申しますと従来は超音波ガイド下に最低6ヵ所を採取する系統的生検が主流でした。しかし、一律に生検本数を固定すると、若い方や前立腺体積が大きい方の場合、癌の見逃しが発生するという懸念がございます。そこで2007年ごろより前立腺体積と年齢により8~20ヵ所の間で変動させる多数箇所生検方法が普及してきました。しかし、これらの系統的生検によっても癌検出率25~50%との報告が多く、さらに治療の必要のない微小癌も発見してしまうといったデメリットもあると考えられています。そこで、近年のMRI画像の進歩に注目が集まりました。生検前にMRIを撮影し、最低でも cognitive fusion 下生検(頭の中でMRIと超音波画像を癒合する手法)を施行すると癌検出率が60%程度に上昇したといった報告がございます。さらに、当センターではMRI画像を超音波装置に取り込み2つの画像を同期して癌疑い部位を検索する先進的な診断装置を導入しました。これによりMRI/超音波(US)fusion下生検と呼ばれる新たな生検手技が可能となりました。この方法により前立腺癌検出率が一層改善しました。さらに、手術療法が必要な場合、ロボット支援手術(ダビンチ手術の欄を参照下さい)も行うことができます。前立腺癌を心配される際には、ご相談下さい。
泌尿器科で多い疾病の一つに腎尿管結石が挙げられます。体外衝撃波で粉砕するESWLと呼ばれる方法が長らく第一選択として普及していました。しかしながら、1回の治療で完結できない・再発しやすい・治療中痛みを感じるといった弱点があります。経尿道的尿管結石破砕術(TUL)はESWLが席巻する以前から行われていた手術ですが、当時の内視鏡は口径も大きく、かつ破砕装置は尿路粘膜を傷つけやすいといった問題があり治療効率の悪い術式でした。それらの難点を克服すべく、近年、尿管鏡の細経化とレーザー砕石機の導入により治療効率の向上したTULが施行可能となったのです。内視鏡については腎臓まで到達する軟性鏡を当センターでは常備しました。泌尿器科領域ではf-TULと称されています。10mm未満の結石ではESWLの治療効果と同等ですが、サイズがそれより大きい場合には本術式が第一選択として推奨されています。当院では3泊4日の日程で行っています。
患者さんの数は少ないものの、もし罹患すると困ってしまう疾患の一つに尿道狭窄症があります。原因は本人が思い当たらない場合(特発性)や、何らかの経尿道的操作を契機として発生する場合(医原性)もあります。狭窄が軽度でしたら、尿道からの操作で治療できることもありますが、そのような軽症例は以前、考えられていたより少ないことが分かってきました。この疾患に対して、狭い部分の尿道を切断して再吻合する「尿道形成術」と呼ばれる手術が有効であることが近年、判明しました。特に狭窄が2cm以上と長くなると、口腔内の粘膜や、陰茎包皮の一部を切り取り狭窄部尿道を拡張する特殊な方法で対応します。「尿道形成術」は全国的に見ても施行できる病院は限られています。しかし当院では防衛科大学校のご高名な先生のお力添えを得て(https://square.umin.ac.jp/impreza/)この手術にも着手しています。群馬県のみならず、関越自動車道沿線住民の方々にこの治療を提供すべく日夜努力しています。
役職 | 外科系診療部長 |
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名前 | 田村 芳美 (たむら よしみ |
卒年 | 群馬大学 昭和62年卒 |
専門分野 | 泌尿器科 |
資格 |
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役職 | 泌尿器科医長 |
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名前 | 吉原 忠寿 (よしはら ただかず) |
卒年 | 群馬大学 平成29年卒 |
専門分野 | 泌尿器科 |
資格 |
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役職 | 泌尿器科医師 |
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名前 | 石崎 正徳(いしざ まさのり) |
卒年 | 群馬大学 平成31年卒 |
専門分野 | 泌尿器科 |
資格 |
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役職 | 泌尿器科医師 |
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名前 | 堀 慶典 (ほり けいすけ) |
卒年 | 富山大学 令和2年卒 |
専門分野 | 泌尿器科 |
資格 |
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