緩和ケア科について
<患者さんとご家族の苦痛を和らげるために>
われわれが、最も大切にしていることは、あなたの意志を守り尊ぶことです。
だれに遠慮することなく、あなたらしく生活されることを願っています。
診療内容について
- 緩和ケアについて
緩和ケアとは、生命を脅かす病気にともなって生じるさまざまなつらさ、すなわち「からだのつらさ」「気持ちのつらさ」「生活のつらさ」などを和らげるためのケアのことです。これらのつらさを抱えた患者さんとそのご家族を総合的に支え、生活の質(QOL)を向上させるための医療と言えます。がんの終末期にのみ行われるものではなく、さまざまな病気のどのような時期においても行われる医療です。 - 緩和ケア病棟について
緩和ケア病棟は、がんによって生じたさまざまなつらさによりがん治療(手術、抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン療法など)が困難な患者さんや、がん治療を望まない患者さんが療養するための専門病棟です。看取りのイメージが強く、「死ぬ場所」と思われている方が多くいらっしゃいますが、実は「生き抜く場所」であり、がん患者さんやご家族が心穏やかな日々を過ごせるようチームで症状緩和を含めたケアにあたっています。がん以外に、後天性免疫不全症候群(AIDS)も緩和ケア病棟での療養の対象です。
取り扱っている疾患について
緩和ケア病棟での療養の対象となる患者
治癒困難な悪性腫瘍または後天性免疫不全症候群の患者さんで以下に該当する方
- がんに対する積極的な治療(手術、化学療法、ホルモン療法など)が終了している、もしくは希望していない
- 患者本人が、悪性腫瘍であること、治癒困難であることを理解していること(が望ましい)
- 患者本人とご家族が緩和ケア病棟での療養を希望している
- 輸血や透析療法など、緩和ケア病棟で対応困難な治療を希望していないこと
- 患者本人とご家族が、心電図などのモニター管理、血圧低下時の昇圧剤、心肺停止時の蘇生処置を希望していないこと
当科の特徴
緩和ケア病棟の概要
当院の緩和ケア病棟は、前身の国立病院機構西群馬病院において、国立病院療養所の政策医療のモデルとして平成5年6月に開棟しました。翌、平成6年7月に国立病院で2番目、全国で13番目、県内では最初に保険承認された緩和ケア病棟です。平成28年4月には、国立病院機構西群馬病院と渋川市立渋川総合病院の再編統合により国立病院機構渋川医療センターとして新築移転しました。
病床数
院内独立型で平屋建ての病棟です。
個室13、大部屋4(4床/2部屋、2床/2部屋)の計25床で、全室南側を向いています。
病棟内施設
ラウンジ/ 面談室/ 談話室/ 家族室/ 調理室/ 家族用台所/ 介助浴室/ 一般浴室/ 洗濯室/ テラス/中庭
病室内設備
各個室には、テレビ(無料)/ 冷蔵庫/ トイレ/ ソファーベッドを完備。
入院費用
一般病棟と同様に保険診療の対象となります。
室料(1日あたり)
個室:8000円(税抜)/ 大部屋:無料

緩和ケア病棟玄関

全室南向き

ラウンジ

家族室

スタッフステーション

病棟廊下

介助浴室(機械浴)

病棟の庭(芝桜)

病棟の庭(芝桜)

テラス

個室
緩和ケア病棟での治療と療養
悪性腫瘍(または後天性免疫不全症候群)によって生じる疼痛・悪心・呼吸困難などの身体的苦痛、不安・抑うつなど精神的苦痛などに対して、薬物療法、看護ケアやリハビリテーションなどを行い、多くの専門職種で対応していきます。
また、苦痛を評価し対応していくために必要な検査(血液検査、レントゲンなど)や、身体に負担とならない範囲で水分や栄養を補う目的に点滴も行います。
さらに、症状緩和のための放射線治療を放射線治療科に依頼したり、呼吸困難や腹部膨満の原因となる胸水・腹水を抜く処置を行うこともあります。
ご希望に応じて、テラスに出て外気浴をしたり、病棟前の庭を散歩することも可能です。
可能な限り入浴もできるようサポートいたします。
多職種連携について
患者さんとご家族に対して様々な面からサポートを行うために、医師をはじめ、看護師、看護助手、ソーシャルワーカー、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など多職種のチームを形成し、患者さんとご家族を支えています。
- 緩和ケア科医師:がんに伴う体や心のつらさを取り除き、患者さんとご家族の支えになれるよう努力しています。どのようなことでも遠慮せずにご相談ください。
- 看護師:患者さんとご家族の意思を守り尊ぶことを第一に考えながら、つらさを取り除くため日々援助を行っています。そして、心と心の触れ合いを大切にするための時間や環境作りを心がけています。
- ソーシャルワーカー:疾病により生じる様々な諸問題(経済面・精神面・社会生活面など)について、患者さんとご家族が解決できるよう専門的な立場から相談と援助をしています。
- 管理栄養士:吐き気があり食べることが難しい、上手く食べ物が飲み込めないなどの症状がある患者さんに、少しでも食べられるよう食事の工夫(食べやすい形、固さなどの工夫)や少量で栄養が取れるような栄養補助食品などの提案をしています。
- 薬剤師:患者さんのつらい症状を緩和するために必要な薬剤の検討や、患者さんの希望に沿った投与方法のアドバイスなど、専門性を生かしたサポートを行っています。
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士:患者さんの身体機能や生活機能の維持と、つらい症状の緩和を目的として、患者さんの状態評価を行い必要なリハビリテーションを検討し実行しています。
- 看護助手:患者さんの身の回りの環境整備や検査移動の補助などを行い、安心できる療養のために患者さんをサポートしています。
よくあるご質問
患者さんが自分の意思を伝え、誰もが患者さんの意思を守り尊ぶためには、病名や病状を正しく理解していただくことが大切だと考えています。認知機能の低下等により正確な理解が難しい場合はご相談ください。
がん(または後天性免疫不全症候群)に伴うさまざまなつらさを抱えている患者さんであれば問題ありません。
治療することで症状の改善が期待できるが、緩和ケア病棟で対応困難な病態(閉塞性胆管炎に対する内視鏡的治療など)では、各診療科に依頼し、一般病棟で処置や治療を行った後、緩和ケア病棟に入院していただくことがあります。
苦痛を和らげるための治療は行いますが、緩和ケア病棟という性質上、治癒を目指した積極的な治療や本人の望まない延命のための治療は行いません。緩和ケア病棟に入院後、もし抗がん治療を希望する時には、がん治療を目的とした病棟に移動することもできますので、スタッフにご相談ください。
なお、なるべく静かな療養環境を整えるため、また患者さんとご家族のコミュニケーションの妨げとならないよう、緩和ケア病棟では心電図モニターを使わないこととしております。
患者さんの意志を尊重し、誰でも自分の人生を最大限に活かせるよう援助を行っています。従って、患者さんの望まない形での検査・処置は行いません。今まで愛用していたものを持ち込むこともでき、化粧や衣服も自由です。ただし、電気機器のご使用については、一度病棟スタッフへご相談ください。
緩和ケア病棟へ入棟ご希望の際には入棟審査(外来)が必要になりますが、審査日の設定のために、診療情報提供書(各種検査結果などの資料を含む)・提出物チェックシート・アンケート用紙(患者さん・ご家族用)が必要となります。上記3点が届き次第、審査日程を調整させていただきます。患者さん用のアンケート用紙は、患者さん本人が記載できる場合はご本人に記載いただき、難しければご家族等の代筆でも大丈夫です。しかしその際は患者さんのことばをそのままお書き下さると幸いです(分からないところは「分からない」で大丈夫です)。必要書類については〈⑥受診の流れについて〉をご確認下さい。
患者さん、ご家族に来院頂き、これまでのご様子を伺ったり、今後のご希望について、緩和ケア医・看護師・ソーシャルワーカーと一緒に話し合いをさせていただきます。患者さんが来院される場合、健康保険の適用にて対応させていただきます。患者さんの来院が難しい場合にはご家族のみでも可ですが、その場合、自費にて3000円(税抜)がかかります。
入院することは可能ですが、あくまでも患者さん自身の希望が第一と考えています。
宗教の有無は問いません。
可能です。どのような形で面会するかについては、ご相談させていただきます。
たばこは敷地内全面禁煙となっており許可できませんが、お酒についてはご相談の上、対応を検討させていただきます。
置き型で危険の無いものや、剥がすことのできるものであれば飾っていただいて結構です。
原則必要ではありませんが、患者さんやご家族の希望で付き添うことができます。
※新型コロナウイルス感染症流行下においては、都度対応が変化するため、お気軽にお問い合わせ下さい。
午前午後ともに面会は可能ですが、大部屋の場合は朝や夜など他の患者さんの迷惑になる時間の面会は避けていただいております。また、大勢お見舞いに見える場合や、小さなお子さんの面会については、なるべく個室の利用をお勧めさせていただいております。
※新型コロナウイルス感染症流行下においては、対応が変化するためお気軽にお問い合わせ下さい。
特にありません。しかし、症状緩和が必要な方を優先的にお受け入れするために、病状が落ち着いて過ごせている場合には、退院を検討させていただくことがあります。
緩和ケア病棟では、病態に応じて、平日のみ「おやつ」を付けることができます。また、汁物があった方が食べやすいという方のために、ご希望で1日3食汁物を付けることもできます。なるべくご希望に沿えるよう、管理栄養士とも協働し検討いたします。いずれの食形態も、安全に召し上がれる方が対象です。
一般浴室と介助浴室をご用意しております。入浴希望の方の人数にもよりますが、少なくともおおよそ週1-2回程度ご対応させていただいています。
ご相談の上、対応を検討させていただきます。いずれにしても、事前に入棟審査を受けていただく必要があります。
患者さんの希望で退院することもできますし、最期を迎えることもできます。お体の状態に応じて、入退院を繰り返すことも可能です。緩和ケア病棟に入院し症状緩和を行い、自宅退院して在宅医療を受けられる方もいらっしゃいます。一時的な外出・外泊に関しても、ご希望に沿えるようサポートしたいと考えています。
※新型コロナウイルス感染症流行下においては、外出・外泊に関しても都度対応が変化するため、お気軽にお問い合わせ下さい。
入棟審査後、なるべく家で過ごしたい方の入院のタイミングは様々です。患者さん、ご家族の方が「入院したい」とお感じになったタイミングでご入院いただいております。在宅でお過ごしの方の緊急入院に備えて必要なベッドは確保してありますが、ご希望のお部屋を準備できない場合がありますことをご了承下さい。また患者さんの状態によっては、大部屋希望でも個室で状態を確認させていただくことがあります。
こばやし ごう
小林 剛
| 役職 | 統括診療部長 |
|---|---|
| 出身大学 ・卒年 |
金沢医科大学 平成8年卒 |
| 専門分野 | 緩和ケア全般 |
| 認定資格 |
|
ほしの しゅんや
星野 隼矢
| 役職 | 緩和ケア科医師 |
|---|---|
| 出身大学 ・卒年 |
北海道大学 平成24年卒 |
| 専門分野 | 緩和ケア全般 |
| 認定資格 |
|
外来担当医表
| 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 午後 | 小林 剛 | 星野 隼矢 | 小林 剛 | 星野 隼矢 |
- 予約診療となります。
診療実績
年間入院患者数(単位:人)
| 年度 | 入院患者数(人) |
|---|---|
| 2021年度 | 171 |
| 2022年度 | 162 |
| 2023年度 | 137 |
| 2024年度 | 161 |
| 2025年度 | 152 |
平均在棟日数(単位:日)
| 年度 | 平均在棟日数(日) |
|---|---|
| 2021年度 | 28.4 |
| 2022年度 | 28.03 |
| 2023年度 | 34.97 |
| 2024年度 | 33.13 |
| 2025年度 | 39.44 |
入棟審査から入院までの平均待機期間(単位:日)
| 年度 | 平均待機期間(日) |
|---|---|
| 2021年度 | 4.7 |
| 2022年度 | 5.9 |
| 2023年度 | 5.2 |
| 2024年度 | 5.0 |
| 2025年度 | 5.5 |
入院実績のある主病名
- 肺がん
- 食道がん
- 胃がん
- 結腸がん
- 直腸がん
- 肝がん
- 膵がん
- 胆のうがん
- 胆管がん
- 乳がん
- 軟部腫瘍
- 子宮がん
- 卵巣がん
- 悪性リンパ腫
- 白血病
- 骨髄腫
- 腎がん
- 尿管がん
- 前立腺がん
- 膀胱がん
- 脳腫瘍
- 頭頚部がん
- 原発不明がん
など
2025年度主病名(単位:件)
| 主病名 | 件数(件) |
|---|---|
| 肺がん | 31 |
| 膵がん | 15 |
| 前立腺がん | 11 |
| 胃がん | 9 |
| 腎・尿管がん | 9 |
| 頭頚部がん | 8 |
| 胆のう・胆管がん | 7 |
| 乳がん | 6 |
| 肝がん | 6 |
| 直腸がん | 6 |
| 食道がん | 4 |
| 結腸がん | 4 |
| 膀胱がん | 4 |
| 卵巣・卵管がん | 4 |
| 子宮がん | 2 |
| 脳腫瘍 | 1 |
| 悪性リンパ腫 | 1 |
| 骨髄腫 | 1 |
| 軟部腫瘍 | 1 |
| その他の腫瘍 | 5 |
| 原発不明がん | 2 |
学術実績
学会発表
2025年
星野隼矢. がん終末期の褥瘡に対して、緩和ケア科の医師が考えること.
第22回日本褥瘡学会 関東甲信越地方会学術集会, Gメッセ群馬, Nov 30, 2025.
英文論文
2023年
Shunya Hoshino, Yusuke Takagi, Takeo Fukagawa, Keiji Sano, Nobuhiko Seki, Yojiro Hashiguchi, Etsuko Aruga. Is Low Volume Drainage of Ascites Associated With Improved Survival in Digestive System Cancer Patients With Malignant Ascites?-A Retrospective Cohort Study. J Palliat Care. 38(4) : 473-480, 2023
ご紹介いただく先生方へ
渋川医療センター緩和ケア病棟では、入院を希望される方は緩和ケア外来を受診して頂き、入院の適否を検討いたしております。可能な限り迅速かつ円滑に受け入れをするべく努力をしておりますが、緩和ケア病棟の病床が限られており、入棟審査を通過しても、初回入院までの順番待ちに一定のお時間を頂くことがあります。その場合、当病棟に初回入院するまでの待機期間は貴院にて診療を継続して頂くようお願い致します。
また、ご多忙のところ恐縮ですが、以下の書類をご用意頂けますと幸いです。 何卒ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
緩和ケア病棟入棟審査で担当の先生にご用意いただくもの
- 診療情報提供書 1通
臨床経過、ならびに、お手数ですが下記項目も含めお教えください。
①がんの診断日および診断に至る検査
②病名告知の有無とその時期
③転移部位
④予測される予後
⑤手術の有無(有の場合、手術日と術式)
⑥認知症状の有無(有の場合、具体的な状況)
⑦患者さんやご家族とのコミュニケーションやケアを円滑にはかるため何かアドバイスがございましたらご記入ください - 検査結果
①血液検査情報:血算、生化学データ等最新のもの
②画像情報:XP、CT、MRI、骨シンチ等で必要と考えられる画像- 可能であれば読影報告書も頂けますと幸いです
- 提出物チェックシート(医師提出用) 1通
- 渋川医療センター(院内)からのご紹介の場合、上記「2.」「3.」は不要
以上、お手数をおかけし申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

