士長ごあいさつ
渋川医療センターのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
当院は全国に139の施設を展開する「独立行政法人国立病院機構」の病院です。グループのネットワークを活かした定期的な学会や研修会、勉強会を盛んに行っており、スタッフ一人ひとりのスキルアップと専門性の向上に努めています。ここで培った高い技術と知識を、日々のリハビリテーションを通じて患者さんへ還元しております。リハビリテーション科では、各スタッフが専門性を発揮し、患者さんの身体機能や生活様式、患者さんの想いに寄り添った、科学的根拠に基づくオーダーメイドのプログラムを提案し、患者さんの自立支援をサポートいたします。
また、近年予防医療におけるリハビリテーションの重要性が大変注目されおり、当院でも積極的に予防的リハビリテーションも行っております。院内での治療にとどまらず、北毛地区の皆さんの健康寿命を延ばすための体操教室などを通して、今後も地域への貢献を実施していきます。
私たちは、患者さんに「ここでリハビリテーションを行って本当に良かった」と感じていただけるよう、真摯に患者さんと向き合い、さらなるサービスの質向上を目指し続けます。

理学療法士長
飛田 直樹
作業療法士長
桔梗 隆司
部署紹介

リハビリテーションとは?
「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。それは、単なる機能回復ではなく、日常生活の活動を高め,家庭や社会への参加を促すものであり、「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要であり、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションと言えます。

私たちは、患者さんの希望に寄り添った医療の実践を念頭に、様々な機能の回復を目指すと共に、その方が生活する自宅や地域・社会コミュニティへの復帰を目指しています。そのために、本人への直接的なアプローチだけではなく、ご家族の方々や様々な社会資源など、患者さんを取り巻く環境へのアプローチを行っています。
リハビリテーション科の対象領域
当院は国立病院機構の医療機関であり、重症心身障害児者病棟や結核病棟などの政策医療、がんリハビリテーションや脳卒中、救命医療などの4疾患5事業、緩和ケアや救命医療などの地域拠点病院の役割といった、多岐にわたる領域の患者さんを対象としたリハビリテーションを提供しています。

リハビリテーション科のスタッフ
- 理学療法士:12名
- 作業療法士:7名
- 言語聴覚士:4名
- 事務作業補助者:1名
業務内容
当院のリハビリテーション科では、以下の疾患のリハビリテーションを実施しています。
疾患別リハビリテーション
- 脳血管リハビリテーション(Ⅰ)
- 廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
- がん患者リハビリテーション
- 障害児(者)リハビリテーション
対象区分
基本は入院患者さんに対するリハビリテーションを実施していますが、一部、当院外科治療後の患者さんに対する、外来リハビリテーションも実施しています。
疾患別リハビリ 年度実績
(2021~2025年分記載)
| 疾患別リハビリ(処方件数) | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 脳血管リハビリ 代表疾患:脳梗塞、脳出血、慢性硬膜下血腫、てんかん重積、パーキンソン病、ジストニアなど |
365件 | 450件 | 467件 | 452件 | 570件 |
| 運動器リハビリ 代表疾患:大腿骨頸部骨折、腰部圧迫骨折、変形性関節症(人工関節置換術)、頸椎疾患、末梢神経障害など |
218件 | 129件 | 203件 | 233件 | 281件 |
| 廃用症候群リハビリ 代表疾患:各種癌疾患(化学療法未実施者)、内部疾患など |
550件 | 498件 | 706件 | 752件 | 851件 |
| 呼吸器リハビリ 代表疾患:間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患、肺結核、誤嚥性肺炎、肺炎、COVID19など |
553件 | 687件 | 685件 | 737件 | 810件 |
| がん患者リハビリ 代表疾患:各種肺癌、各種血液疾患(多発性骨髄腫、リンパ腫など)、消化器癌(大腸癌、胆管癌など) |
585件 | 581件 | 715件 | 761件 | 795件 |
| 総処方数 | 1776件 | 2345件 | 2776件 | 2935件 | 3307件 |
- 緩和ケア病棟、感染病棟などの処方を含んでいます
- 重症心身障害児(者)病棟の処方は含んでいません
理学療法部門
理学療法部門
理学療法とは
理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。(日本理学療法協会HPより抜粋)

当院での理学療法の実践
様々な要因によって生じた身体の機能低下に対して、起き上がりや立ち上がりといった基本的な動作や車いすへの乗り移り、歩行動作の獲得を主な目的に練習を行います。
関節角度の拡大、筋出力トレーニング、協調性の改善、基本動作練習、歩行動作練習、日常生活動作練習などそれぞれの患者さんに合わせて、個別のメニューを提案し提供しています。

当部門の特色
当部門では、以下の①~③を各担当医と連携して行っています。
- 歩行可能な患者さんに対して、動作時における呼吸困難感の評価として持続的に運動可能かを評価する試験。
- 呼吸機能が低下している患者さんに対して、術前の呼吸トレーニング方法の指導。
- 在宅酸素療法に向けての評価、導入に対する介入。


作業療法部門
作業療法とは
作業療法とは、個人にとって価値や目的のある日常生活活動(生活行為)を主な手法として、心身両面の生活・社会機能の維持、増進を図る対象者中心のリハビリテーションです。
作業の実践には、「心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する」手段としての作業の利用と、「その作業自体を練習し、できるようにしていく」目的としての作業の利用、およびこれらを達成するための環境への働きかけなどが含まれています。
- 画像は一般社団法人日本作業療法士協会のリーフレットです。クリックすると詳細をご覧いただけます。
当院での作業療法の実践
当院は国立病院の担う政策医療や、地域基幹病院として、多岐にわたる領域・疾患の患者さんに対し作業療法を提供しています。各スタッフが様々な領域に対応できるよう人材育成を行うと共に、より専門性に特化したスタッフが補填し合い、対象者のニーズに即した作業療法を実践できるよう心がけています。

当部門の特色
各種訓練室を利用して、実生活に近い環境を用いたリハビリテーションの提供を心がけています。また、乳腺領域、ニューロモデュレーション領域など、各種センターの一員として、専門的な評価、治療の実践を提供しています。

言語聴覚療法部門
言語聴覚療法とは
言語聴覚療法とは、飲み込みやコミュニケーションに困難さがある患者さんに対して、言語・聴覚・嚥下などの訓練を行い、専門的にアプローチをすることです。

当院での言語聴覚療法の実践
当院では主に以下の症状に対してリハビリテーションを行っています。
- 嚥下障害:食事が飲み込みにくい、むせてしまう。
- 構音障害:顔のマヒにより話しづらい。
- 失語症:話す・聞く・読む・書くことなど、言葉に関するコミュニケーション能力が障害される。
- 高次脳機能障害:記憶力、集中力の障害など、さまざまな症状によりスムーズに日常生活をおくることが難しい。

当部門の特色
嚥下障害の患者さんに対して、耳鼻咽喉科医と連携し嚥下内視鏡検査にて評価を行います。飲み込みの様子を内視鏡下で確認し、安全に食事を取る方法を相談します。
栄養状態が低下している患者さんに対しては、医師・管理栄養士・薬剤師・看護師等、多職種で介入し、その患者さんにあった栄養摂取方法を相談します。


多職種連携(チーム医療)
リハビリテーション科の関わり
急性期医療の現場では、各々が専門性を生かした関わりを行うことでチーム全体の目標を達成していくこと(マルチディシプリナリーモデル)が主体となります。
療法士は、それぞれに専門性があります。相互作用の中でより良い関わりを行っていけるよう努めると共に、各診療科と連携し、専門性を活かした関わりを担っています。

具体的な関わりの例
理学療法部門
- 歩行など移動に関連した専門的な評価・治療を進めると共に、介助方法や歩行補助具に関し、各種指導や情報共有を図っています。
- 褥瘡予防など、ベッド・車いす上でのポジショニング方法の検討や共有を行っています。
- 外科治療前の呼吸機能評価や、在宅酸素の導入に向けた各種評価を行っています。
作業療法部門
- 日常生活動作(トイレ、更衣、整容動作など)の評価・練習を行い、スタッフ間での介助方法の共有などを行っています。
- ニューロモデュレーション(脳神経外科)や乳腺外科な領域における、周術期の各種評価に基づいた治療介入や情報共有を行っています。
言語聴覚療法部門
- 食事中の飲み込みにくさやむせがみられる患者さんに関して、耳鼻咽喉科医師や栄養士同席のもと、内視鏡を入れた状態でお食事を行い、安全性を基にしたお食事や摂取方法を相談します。
- 栄養状態が低い患者さんに対し、医師、栄養士、看護師などの様々な職種とともに介入し、その患者さんにあった栄養や食事形態などを検討しています。


有資格者一覧(令和7年度現在)
※がんのリハビリテーション研修を全スタッフが終了しています。
- 3学会認定 呼吸認定療法士
- 日本栄養治療学会認定 NST専門療法認定士
- 高血圧学会認定 高血圧予防療法指導士
- 介護支援専門員
- 福祉住環境コーディネーター2級
- LSVT BIG認定者
- ニューロモデュレーションサポートプロバイダー認定者
- パーキンソン病療養指導士
- リンパ浮腫セラピスト
- SWT講習会修了者
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
- 臨床心理士
- 公認心理師
- MOSESトレーナー
- てんかん診療支援コーディネーター
地域事業
理学療法士
渋川市にて行っている介護予防事業に以下の部門で講師派遣を行っています。
榛東村介護予防事業 1回/月頻度で実施。11回/年
渋川市介護予防事業 2回/年
言語聴覚士
榛東村 はつらつ教室 1or2回/年
学術業績
学会発表
2021年
吉田裕之、棚橋美文、小林光伸、合田司.当院のがん術前患者における血清プレアルブミン値と運動耐用能の関係,第75回国立病院総合医学会,Oct23-Nov20,2021.
2022年
田村剛志,加家壁正知.母指CM関節症における保存経過群と手術移行群の差の検討と手術移行群における経時的変化の特徴.第64回日本手外科学会学術集会,Apr22-23,2022.
2023年
狩野未樹,岩丸樹,山浦美和子,間島竹彦,板橋悠太郎,井田久仁子,伊部洋子,宮城島孝昭,髙橋章夫.外科的治療と専門的支援により就労が可能となった、長期のてんかん歴をもつ焦点てんかんの一成人例.第11回全国てんかんセンター協議会総会,Mar2-3,2023.
山口俊輔,田島直己,平戸政史.ニューロモデュレーションセンターにおける多職種連携.第77回国立病院総合医学会,Oct20-21,2023.
2024年
山口俊輔,内田侑希,高橋章夫,板橋悠太郎,平戸政史.動作特異性ジストニアに対する定位的視床手術後のリハビリテーション介入.第18回パーキンソン病運動障害疾患コングレス,2024年7月11日~13日.
2025年
山口俊輔.安全なリハビリテーションの提供を目指して~科内ヒヤリハット報告の動向・傾向について~.第79回国立病院総合医学会,2025年11月8日.
山本后世.リンパ浮腫ケア外来 開設への取り組み.第79回国立病院総合医学会,2025年11月7日.
吉田裕之.放射線治療のための長期入院患者に対する加速度トレーニング導入効果の検討,第79回国立病院総合医学会,2025年11月7日.
2026年
山本后世,山上香奈絵.2週間の入院治療により歩行能力改善を目指した症例.第9回日本リンパ浮腫学会総会,2026年3月28日.
講演
2021年
山口俊輔.ニューロモデュレーションセンター治療における包括医療.群馬ニューロウェビナー,Nov25,2021.
2022年
山口俊輔.手術治療を受ける運動異常症患者に対する多職種連携~コメディカルチームの取り組み~.群馬ニューロウェビナー,Oct20,2022.
2023年
狩野未樹.てんかん診療支援コーディネーターとしての活動.てんかん診療を考える会,Nov17,2023.
2024年
飯塚優子.飲み込む力 筋力up.第86回渋川摂食嚥下研究会,Feb26,2024.

